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国際定期貨物列車「中欧班列」の勢いが止まらない。




2021年1-3月の運行本数は2298本


国家発展改革委員会の孟瑋報道官は4月19日の記者会見で、第1四半期に国際定期貨物列車「中欧班列」は勢いを維持し、運行本数は3398本、貨物輸送量は32万2000TEU(TFU=20フィートコンテナ換算)で、前年同期比それぞれ75%と84%増加し、積載率は96.5%に達したと発表した。

  2021/04/19  http://m.china.com.cn/wm/doc_1_76798_1924003.html


2011年の17本から2020年には1万2400本へ


中国・欧州間を海上コンテナで鉄道輸送する中欧班列は、2011年には17本しか走っていなかったのが、2017年には3673本、2018年は6300本、2019年は8225本と右肩上がりに増えた。

2020年には初めて1万本を超え、1万2400本となったが、その4割は、中国内陸部の成都と重慶から出発した。


中欧班列は、中国国内の出発地に応じて3つのルートが設定されている。


大連から満州里を経由してシベリア鉄道を経由する「東ルート」

天津等からモンゴルを経由して欧州に向かう「中央ルート」

そして中国西方からカザフスタンを経由する「西ルート」である。

(実際は、その3ルートから支線が伸びており複雑な路線が形成されている。)


1列車がそのまま中国~欧州間を行き来するわけではない。中国国内と欧州地域の線路幅が1435mmの標準軌であるのに対して、旧ソ連地域が1520mmの広軌であるため、列車は中国とロシア・カザフスタン・モンゴルの国境とベラルーシとポーランドの国境においてコンテナの積み替えを行う必要がある。



                     中欧班列建設発展企画(2016-2020年)



中欧班列の優位性は内陸地に


中欧班列と海上輸送を比べた場合、仕出地と仕向地が内陸地ほど中欧班列の優位性が増してくる。

中国沿岸の上海とドイツのハンブルクの間の1個のコンテナ輸送を考えた場合、海上輸送では44日、鉄道輸送では日数では25日と大幅に短縮するものの、運賃は倍以上となる。

これに対し、中国内陸部の西安とハンガリーのブダペスト間の場合、海上輸送では48日、鉄道輸送では24日と所要日数が半減するのに運賃は同程度に抑えられる。


Trans-Eurasia Logistics(トランス=ユーラシア・ロジスティクス)


中欧班列は、英語ではTrans-Eurasia Logistics(トランス=ユーラシア・ロジスティクス)、 または China Railway Expressと呼ばれる。

ドイツ鉄道とロシア鉄道および中国国家鉄路集団による、ユーラシア大陸横断貨物列車を運行する合弁事業のことだ。

2008年にテスト運行を開始し、2011年の正式な営業開始では、重慶から欧州行きの貨物列車が出発した。

2013年9月、習近平国家主席が「一帯一路構想」を提唱、2017年4月に北京で「一帯一路国際協力フォーラム」が開催され、中国、ベラルーシ、ドイツ、カザフスタン、モンゴル、ポーランド、ロシアの鉄道部門が「中欧鉄道貨物協力の深化に関する協定」に署名。

トランス=ユーラシア・ロジスティクスは一帯一路の中核事業として位置付けられた。


「一帯一路」構想としての中欧班列


シルクロードとは、古代の中国とヨーロッパを結んだ交易路で、中国特産の絹(シルク)が運ばれたことから命名された。

「一帯一路」構想は、この交易路をイメージに、「シルクロード経済ベルト(一帯)」「21世紀の海上シルクロード(一路)」で構成される。

中国の内陸部・西安を起点にヨーロッパに至る西への陸路があり、その先は東へ地中海・紅海・アラビア海を渡り、インド・東南アジアを経て中国大陸へつながるルートはまるで一筆書きのようである。

中欧班列は、現代のシルクロードの意味から「鉄のラクダ」とも言われるが、単に中国とヨーロッパを結ぶ鉄道輸送ではない。ユーラシア大陸における経済ベルト構想を支えることに大きな意味がある。


                  https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/5792

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