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中国の携帯電話メーカー「TRANSSION」アフリカでシェア50%超

携帯電話市場なんて、すでに飽和状態では・・と思いがちですが、後発メーカーながら快進撃を続ける「伝音控股」からは、新興市場向けにローカライズした事業戦略が見えてきます。以下、ポイントをまとめました。
●中国の携帯電話メーカー「TRANSSION(伝音控股)」
企業サイト:http://www.transsion.com/
2006年に設立された中国の携帯電話メーカー。広東省深圳市に本部を置く。
2020年同社の世界携帯電話市場のシェアは10.6%、世界第4位の携帯電話メーカーにまで上り詰めている。
●伝音の2020年通期決算は、売上高は377億9200万元(約6400億円)で前年同期比49.1%増、出荷台数は全世界で1億7400万台に上った。
特に攻勢を強めるアフリカ市場でのシェアは50%を超えている。
●2020年上半期、伝音がアフリカ市場において占めるスマートフォンとフィーチャーフォンのシェアはそれぞれ41%と67%。
ライバルであるサムスンは同地域でスマートフォンのシェアが19%、ファーウェイは同10%、OPPO、シャオミは同5%。

●伝音がアフリカ市場に参入したのは2008年。
2014年には携帯電話メーカーとして世界上位に食い込み、2016年には中東、東南アジア地域へ進出。
2020年、同社が展開する「TECNO」はサムスンを超えてアフリカ最大の携帯電話ブランドとなった。
●フィーチャーフォンとスマートフォンの両方を販売。
消費レベルからターゲットを分類し3種類のブランドを展開した。
2019年上半期に販売した「Infinix」「TECNO」「itel」のスマートフォンブランドの価格はそれぞれ579元(約1万円)、487元(約8300円)、300元(約5100円)程度。
TECNOとitelはフィーチャーフォンも販売し、価格はそれぞれ78元(約1300円)と55元(約900円)程度。
●伝音がアフリカ市場で成功した理由としては、携帯電話の機能をアフリカ人のニーズに合わせて調整したことが挙げられる。
・アフリカ人の黒い肌のトーンに合わせてカメラの露出を調整し、アフリカ人の顔の細かい所まで撮影することができるという「美黒」機能を備えている。
・通信料金を節約するために一度に複数のSIMカードを使用しているアフリカ人ユーザーのため、デュアルSIM機能を持つ携帯電話を開発した。
・アフリカ大陸の悪い電力事情に合わせて、電池寿命の長い電話機を発売した。
・伝音の携帯電話にはアフリカの複数の言語のサポートが含まれており、特にエチオピアでは、メジャーな携帯電話ブランドとしては初めてアムハラ語をサポートした。

●アフリカ以外の地域でも攻勢を強めている。
統計によると、南アジア市場のパキスタン、バングラデシュでのスマートフォンシェアは1位、インドでのフィーチャーフォンシェアは6位。
さらに2020年、アジアなどの地域における売上高成長率はアフリカを超え、前年同期比で1.6倍成長し145億元(約2500億円)に達している。
以上
データ出所:https://36kr.jp/131712/