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テスラ、中国でも断トツの販売高

■米テスラが1~6月にトップに立った。約5万台と前年同期の2倍。
一方、比亜迪(BYD)など地元メーカーの販売は軒並み落ち込み、市場全体のEV乗用車の販売台数は23万5千台と半分に縮小。
テスラのシェアは6%から21%に高まった。
テスラは1月、上海に新設した海外初の工場で、小型車のモデル3の一般向け出荷を始めた。
最も安いタイプの場合、補助金を使うと約27万元(約410万円)。
テスラは2013年末に中国に進出し、ブランド構築を進めてきた。
ただ、これまで扱ってきたのは80万元前後の「モデルX」など。中国EV市場では「高根の花」だった。
高級イメージが浸透したところで、満を持して投入したのが手ごろな価格の現地生産版モデル3だ。
■充電スタンド、年内に6000基超へ。
他社の充電器も使えるため「広州など大都市なら充電の心配はまったくない」と販売店は強調する。
他のEVに比べ、テスラ車は中古で売る際に値崩れしづらいのも安心感が。
21年には小型の多目的スポーツ車(SUV)「モデルY」も上海工場から出荷を始める計画だ。
■BYDなど地元メーカーの不振は、法人向け販売が多いのが一因。
新型コロナウイルスに端を発する投資の抑制で、法人需要は1~6月に7割以上落ち込んだ。個人の需要は2割強の減少にとどまった。
市場停滞は政府の販売補助金の減額も大きい。19年半ばに従来の半分程度となり、需要が急減した。
中国に現時点でテスラに対抗しうるブランドは無く、今後数年は中国で首位を保つだろう。
ただ、地元勢も巻き返しに動く。
BYDが7月に発売したEVの新型車「漢」はモデル3の最も安い車種よりも航続距離が長く価格も安い。
「中国版テスラ」と呼ばれる新興メーカーの筆頭格、上海蔚来汽車(NIO)も、口コミなどでファンが広がり販売台数を着実に伸ばしている。
米中対立に巻き込まれるリスクもゼロではない。
米政府が中国企業への圧力を強めていることに対する中国政府の報復で、上海工場での部品調達に支障が出る可能性も。


https://www.nikkei.com/article/DGXMZO62972830U0A820C2FFE000/